小学校受験の願書を手書きで仕上げる日程の組み方を整理しました。下書きを寝かせる間、清書用コピーでの練習、清書当日の段取り、書き損じたときの考え方、乾かして控えを取るところまで。
提出まであと二週間。
下書きは、まあまあ形になっている。
けれど、清書をいつやるのかは、まだ決めていない。
「そのうち、落ち着いた日に」
カレンダーを眺めながら、そう思う。
落ち着いた日というのは、たいてい、いつまで待っても来ません。
気づけば提出の前夜になり、疲れた頭で、一発勝負のペンを握ることになる。
手書きの願書で怖いのは、文章の出来より、日程の押し込みです。
先にやっておきたいのは、後ろから数えること。
提出日を決めて、そこから逆算して、清書の日を先に置く。
下書きの日は、そのあとで空いているところに入れる。
順番を逆にするだけで、気持ちの余裕がだいぶ違ってきます。
目安になる流れは、こんな具合です。
下書きを書く。
そのまま寝かせる。
日をあけて読み直し、直す。
清書用に、コピーした用紙で練習する。
本番の用紙に清書する。
乾かして、控えのコピーを取る。
六つの段階がありますが、どれも特別なことではありません。
ただ、全部を一日に詰め込むと、どこかが削られます。
削られるのは、たいてい「寝かせる」と「練習」です。
用紙の枚数や様式、手書きかWeb出願かは、学校ごとに違います。
Web出願の学校なら、清書の段取りの大半は入力の確認に置き換わります。
どちらなのかは、募集要項で先に確かめておいてください。
下書きが書き上がった夜は、気持ちが高ぶっています。
読み返すと、どの文もそれなりによく見える。
「これでいける」
その感覚は、書いた直後には、あてにならないことがあります。
一晩でも、できれば数日おいてから読み直すと、見え方が変わります。
書いたときには気づかなかった、同じ言い回しの繰り返しや、つながりの悪い一文が、急に目に入ってくる。
書いた言葉が頭から少し抜けて、初めて読む人に近い目になるからでしょう。
この判定ツールを作るとき、AIが書いた文章と人が書いた文章を読み比べました。
そのときも、書いた直後の文章より、時間をおいて読んだ文章のほうが、ぎこちない箇所を見つけやすいと感じました。
願書でも、おそらく同じです。
読み直すときは、画面ではなく、紙に印刷して読むのも手です。
声に出して読むと、息継ぎの位置で不自然さが分かります。
どこをどの順で直すかは、別の記事「願書を書き直すとき、どこから手をつけるか」に譲ります。
ここでは、寝かせる期間を、日程の中にきちんと取っておく、という一点だけ覚えておいてください。
読み直す日が決まっていれば、「もう一度見たほうがいいのかな」という迷いが、日程に吸収されます。
文章が固まったら、いきなり本番の用紙に向かいたくなります。
けれど、その前にもう一段、挟んでおきたい作業があります。
願書の用紙をコピーして、同じ枠に、清書するつもりで書いてみること。
字数が枠に収まるかを行数で確かめる話は、別の記事「小学校受験の願書、志望理由が200字しかないとき何を削り何を残すか」に書きました。
ここでのねらいは、字をきれいにすることより、手を慣らすこと。
用紙の罫線や枠に、自分の字がどう収まるのか。
一行目はゆったり書けたのに、最後の行で急に詰まる、ということは起こりがちです。
筆圧を変えず、同じ速さで最後まで書き切れるか。
書き終えたあと、手が疲れていないか。
そういうことは、書いてみないと分かりません。
「コピーで一回書けば、本番はもう楽」
そう言い切れるわけではありませんが、少なくとも、枠からはみ出すかどうかの不安は減ります。
コピーは、一枚だけでなく、何枚か用意しておくと安心です。
練習のコピーに書き損じが出ても、それは本番ではないので、気持ちの上では傷になりません。
用紙そのものが、コピーできる種類か、そもそも複製してよいものかは、念のため募集要項で確認しておいてください。
日程が決まり、練習も済んだら、いよいよ清書の日です。
たとえば、こんな日曜の朝。
机の上を片づけて、窓を少し開ける。
本番の用紙は、書き始める直前まで、クリアファイルに入れたまま。
ペンのインクが出るかどうか、まず別の紙で試し書きをする。
その横には、練習に使ったコピーが置いてある。
そんなふうに準備が整っていると、最初の一文字を書く手が、意外と落ち着きます。
清書の日に用意しておきたいものを、整理します。
ペンは、様式や色の指定があれば、それに従います。
消せるボールペンは、熱で消えることがあるため、避けるのが無難です。
修正液や訂正印が使えるかどうかは、学校ごとに違います。
使える前提では考えずに、募集要項の記入上の注意を、清書の前に確かめておいてください。
時間帯は、疲れの少ない時間に。
夜遅くより、頭がはっきりしている午前や、休みの日の昼間のほうが、字も落ち着きます。
一度に全部を書き切ろうとしない選び方もあります。
欄ごとに休憩を挟んでもかまいません。
ただ、一つの欄の途中で長く手を止めると、字の調子が変わりやすいので、一つの欄は、続けて書き切るのがおすすめです。
どれだけ準備しても、書き損じは起こり得ます。
最後の一行で、字を間違える。
「あ、やってしまった」
そういうときのために、予備の用紙が役に立ちます。
書き損じたときの対処は、学校によって違います。
修正液や訂正印で直してよい学校もあれば、新しい用紙で書き直すよう求める学校もあるでしょう。
自己判断で直さず、募集要項や学校からの案内に書かれていることを、まず確認してください。
直し方が書かれていなければ、問い合わせる、という選択肢もあります。
書き直すことになったときのために、「ここまで書けたら一休み」というポイントを決めておくのもおすすめです。
欄ごとに区切りをつけておくと、万が一のときに、書き直す範囲が小さく済みます。
予備の用紙を一枚使うところまでが、段取りのうち。
そう決めておけば、書き損じた一枚は、ただの一枚で済みます。
清書が済んだら、すぐに封筒へ入れたくなります。
でも、少しだけ待ってください。
インクが完全に乾くまで、そのまま置いておきます。
乾ききらないうちに重ねたり折ったりすると、裏移りや、にじみが出ることがあります。
乾いたら、控えのコピーを取ります。
面接の前に読み返す資料にもなりますし、何を書いたのか、あとで家族で確認するときにも役立ちます。
コピーを取ったら、提出書類をそろえて、同封するものの過不足を、募集要項と見比べながら一つずつ確かめる。
提出前の最終確認は、別の記事「小学校受験の願書、提出前の最終チェックで見る場所」にまとめています。
そして、清書の前の段階、つまり下書きの時点でなら、まだ全部を直せます。
文章が自分たちの言葉になっているか、場面の具体性が薄い箇所が残っていないか。
清書の前に、一度だけ確かめておくなら、赤ペン願書ラボの無料セルフチェックツールに、下書きを貼り付けてみてください。
AIっぽく読めてしまいそうな箇所が分かるので、清書に入る前に、直す場所の見当がつきます。
このツールは、AIの利用を隠すための道具ではありません。
文章を、その家庭の言葉に近づけるための、ただの手がかりです。
乾いた用紙の上で、インクの色がしっかり落ち着いている。
その上に、控えのコピーが一枚、重ねてある。
封筒の口を閉じるのは、そのあとで。
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